2026.01.07

日本在住の米国籍・永住権保持者が知っておくべきForeign Earned Income Exclusionの要件

日本在住の米国籍・永住権保持者が知っておくべきForeign Earned Income Exclusionの要件
目次

    こんにちは。米国公認会計士(CPA)&ファイナンシャルプランナーのトクとく子です。日本にお住まいの米国籍や永住権保持者の方にとって、Foreign Earned Income Exclusion (FEIE/外国役務所得控除)は税負担を大幅に軽減できる重要な制度です。今日は、その主な要件と注意点をわかりやすく解説いたします。

     

    外国役務所得控除(FEIE)とは?


    FEIE
    とは、一定の要件を満たした場合に、外国での勤務や事業から得た所得(例:給与や事業所得など)を、毎年定められた上限額まで米国課税の対象から除外できる制度です。上限額はインフレ調整により毎年変動しますが、2025年は$130,000とされており、適切に活用することで米国での課税所得を大きく抑えることができます。

     

    対象となる「外国で得た所得」


    FEIE
    の対象となるのは、日本など米国外での勤務・事業により得た「役務所得」に限られます。具体的には、給与、賞与、自営業の事業所得などが含まれます。一方で、年金、配当、利子、不動産賃貸収入、株式や不動産の譲渡益などの「労働以外の所得」は対象外です。重要なのは、支払元がどこかではなく、「どの国で労務を提供したか」という点です。

    Tax Home(税務上の居住地)要件

    FEIEを適用するにはいくつか条件があり、FEIEの前提となるのが、米国以外の国にTax Home(税務上の居住地)を持つことです。Tax Homeとは、単なる住所ではなく、主な勤務先・事業活動の拠点を指します。日本で継続的に就労し、生活の中心が日本にある場合、通常は日本がTax Homeとみなされます。重要なのは、日本が主な勤務・生活の拠点であり、米国に勤務・生活の本拠地がないことが条件となります。

    2つのテスト要件

    次に、FEIEを適用するには、以下の二つのテストのうちどちらかを満たす必要があります。

    1. Bona Fide Residence Test(真正居住者テスト)
    真正居住者テストは、納税者が外国に実質的な生活の拠点を置いているかを判断する基準です。日本に住居を構え、仕事や日常生活の中心が日本にあり、継続的に居住している実態があるかどうかが重視されます。原則として暦年を通じて外国に居住していることが求められ、一時的な米国への帰国があっても、生活の本拠が日本にあると認められれば要件を満たす可能性があります。単なる物理的滞在日数ではなく、その国での生活拠点の確立、日本での就労状況、住民登録、同国に滞在する家族の状況など総合的に判断されます。

    2.Physical Presence Test(滞在日数テスト)
    滞在日数テストは、より形式的で客観的な基準です。テスト対象の期間は暦年と一致する必要はなく、連続する12ヶ月間であれば問題ありません。連続する12か月中に、米国以外の外国に330日以上実際に滞在しているかどうかで判定されます。居住の意思や生活拠点よりも、純粋な滞在日数が重視されます。米国への一時帰国や移動の際は、出発日と到着日、米国内乗り継ぎ日など、米国内に少しでも滞在した日は、この外国滞在日数に含めることができません。

    よくある誤解と注意点


    「日本に住民票がある」「日本で税金を払っている」だけで自動的にFEIEが使えるわけではなく、いずれかのテストを満たす必要があります。FEIEの適用にはForm 2555Form 1040に添付して提出します。

    初年度の申請時には特に慎重な準備が必要です。一度FEIEを選択した後、自らの意思でその適用を取りやめると、原則としてその後5年間は再度FEIEを選択できません。また、FEIEを選択すると、控除された所得に対しては、外国税額控除(Foreign Tax Credit)との併用ができません。(控除しきれなかった所得に対しては、案分後の外国税額控除の適用は可能。)

    まとめ

    Foreign Earned Income Exclusionは日本在住の米国納税義務者にとって非常に有益な制度ですが、要件の理解と正確な適用が必要です。物理的滞在日数の記録、税務書類の適切な保管、申告期限の遵守など、細心の注意を払って管理することで、この制度の恩恵を最大限に受けることができます。ご不安のある方は専門家への相談をお勧めいたします。

    弊社では、米国籍・永住権保持者の方の米国税務申告を多数扱っております。世界最大手会計事務所での勤務経験を持つ米国公認会計士(USCPA)が、少人数チームならではの柔軟性で複雑な国際税務を迅速かつ丁寧にサポートします。ご自身の状況に合わせた最適なご提案をいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。

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