日本在住米国籍・永住権保持者必見！Foreign Earned Income Exclusionの適用条件と注意点

こんにちは。「米ドル資産運用のコンシェルジュ」米国公認会計士 (CPA) ＆ファイナンシャルプランナーのトクとく子です。

米国市民や米国永住権（グリーンカード）保持者は全世界所得を米国に税務申告する義務があります。これはたとえ日本に居住していても例外ではありません。（日本在住の米国籍の方の確定申告はこちらのコラムご参照）

今日は、日本にお住いの米国籍・米国永住権保有者の方が適用可能な「Foreign Earned Income Exclusion（外国勤労所得控除）（FEIE）」について制度の概要から申請要件、注意点までを詳しく解説します。

Foreign Earned Income Exclusion（外国勤労所得控除）とは？

Foreign Earned Income Exclusionとは、米国外で得た給与所得や事業所得などの「働いて得た」所得を一定額までを米国の課税対象から除外できる制度です。2024年度の除外限度額は$126,500で、物価の上昇に応じて毎年更新されます。

Foreign Earned Income Exclusion（外国勤労所得控除）適用の要件

FEIEを適用するには以下の条件をすべて満たす必要があります：

1. 米国外での「earned income（働いて得た所得）」であること（利子、配当、家賃収入、キャピタルゲインなどは対象外）
2. Bona Fide Residence Test（実質的居住者テスト）またはPhysical Presence Test（物理的滞在テスト）のいずれかを満たすこと
3. 米国外に「Tax Home（納税地）」があること

Bona Fide Residence Test（実質的居住者テスト）とPhysical Presence Test（物理的滞在テスト）

Bona Fide Residence Test：

• 連続した1暦年を通じて外国に居住している（一時的な米国帰国や他国への旅行は許容されるが生活の中心が米国外にある）
• 外国に実質的に居住し、その国で生活基盤（住居、家族、銀行口座など）を築いている

Physical Presence Test：

• 申告対象の税務年度にかかる任意の12か月連続期間で330日（※）以上、米国外に物理的に滞在している
• 滞在日数は連続している必要はなく、居住意思や生活基盤問われない

※：日にちの数え方は、深夜0時からの24時間で1日（出入国日は原則24時間未満のため除外）

申請の手続きと注意点

FEIEを適用するには、確定申告書Form 1040にForm 2555を作成して添付します。なお、外国税額控除（Foreign tax credit）とFEIEは、同じ所得に対して両方を適用することはできません。

注意点：FEIEの適用を自ら意図的に中止した場合（例：FEIE適用要件を満たすのに外国税額控除を適用した場合など）、原則としてその後5年間は再度FEIEを利用できません。（ただし、適用要件を満たさなかったことによる不適用の場合は5年間待機対象外）

とく子

一度Foreign earned income exclusionを適用したら、特別な理由がない限り毎年継続して適用することをお勧めします。

まとめ

日本に住みながら米国への納税義務を負う米国市民・永住権保持者にとって、Foreign Earned Income Exclusion（FEIE）は課税所得を軽減できる大切な制度です。ただし、適用には要件や手続きの理解が必要で、慎重な判断が求められます。

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